僕らのはなし。①


ー湊sideー

前回手伝いに来た時に大体の手順は教えてもらって分かってたので、着替えて担当する客室の確認を他の従業員の人達として、柚瑠と手際良く部屋の清掃やシーツ交換などをしていった。



「あっ、居た!
柚瑠と湊ちゃん、ちょっと来て!!」
急に麻実さんが私達が清掃をしていた客室に飛び込んできて、そう言われた。

「えっ、何かあったんですか?」
「とりあえず着いてきて!!
行きながら話すから。」
何か凄い慌てた様子だったので、聞いてみるとそう言われ、とりあえず麻実さんに続いてホテル内を早歩きで移動する。


行きながら聞いた話によると、急にさっきVIPな人物から宿泊予約が入り、オーナーとも古い付き合いの人の家族らしく、急遽スイートルームや大広間、上階の貸し切りをする事になったらしい。

で、もう直ぐ到着らしいので、私達も含め殆どの従業員でお出迎えをするらしい。


大体の人達が集まり、並んでその人達の到着を待っていると、高級車が続々とホテルの入り口に到着するのが見えた。

でも、私は学園でそんな光景見慣れてるし、ここの人達もさすが高級ホテルの従業員といった感じで慣れてるみたい。

ただ、柚瑠は珍しいらしく緊張からか、こっそり私の手を握ってきた。
安心させるように握り返し、笑顔を見せる。

相手が入ってきた感じがして、皆が「いらっしゃいませ!!」って言いながら頭をさげたので、私もそれに習い頭をさげ、お辞儀した。




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