僕らのはなし。①


中に入って唖然とした。

だって、明らか私は場違いだから。
皆凄い高そうなスーツやドレス、アクセサリーなどで着飾っている。

「美人だか馬鹿だか知らないけど、…今度ぶっ殺す。」
直ぐにあの子達が私に恥をかかせる為にああ言ったのだと分かり、小さく呟いた。

同時にそんな子達の言葉を信じてしまった浅はかな自分にも腹が立った。



引き返そうと出口を向くと、まだ開いた扉からこちらに向かってくる伊崎の姿が見え、咄嗟に用意されたバイキングみたいな感じになってる様々な料理の並んだ机の陰に隠れる。

キョロキョロしながら、会場内を進んで行く伊崎を見ていると、一度しまった扉がまた開いた。


すごくお似合いな美男美女のカップル…結城先輩と葉月さんが白いスーツと、シンプルだけど品のある黒のロングドレスを着て腕を組んで会場に入ってきた。

それを見て、何も言葉が出てこない私。
だって、凄い完璧なカップルだから。



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