僕らのはなし。①
「そうなんだ。
いつか一緒に見れると良いね。」
「別に期待してないから良い。」
そんな事を言いながらも、心の中では逆なんじゃないかと思った。
でも、特に深くは突っ込まなかった。
「そうなの?
まぁ、良いけど。
私はたまにここに来て星を見るとね、辛い事とかあってもパッと消えちゃうんだよね。」
「へぇ。」
「伊崎の癒しって?」
「特に…ねぇ。」
「ふーん。
あっ、終わった。」
話してる内にまた明るくなって終わってしまった。
「ふぅ。
そろそろ帰ろっか。
いい加減風邪引くんじゃない?」
「もしそうなったらお前のせいだけどな。
」
そう話しながら立ち上がり片付けて、出口に向かって歩く。
「あれ?開かない!!」
扉を開けようとすると何故か開かなかった。
「はっ?そんなわけないだろ??」
そう言いながら、伊崎も開けようとするも開かなかった。
暫く外に呼び掛けながらドンドンと扉を叩いてみたけど、もう職員さんとか帰っちゃったのか誰も開けてくれなかった。
確かにここに来た時、もうお客さん私達以外居なかったしな…。
「そうだ!携帯!!」
「駄目だ。
圏外。
お前は?」
「私も。」
お互い携帯の存在を思い出して、ポケットから出して見ると、圏外だった。
「どうしよ。」
「電気はつけっぱなしなのに、本当に誰も居ないのか?」
「うん…みたい。」
「マジかよ。」
「職員が来るのは明日の朝だ…。
ごめん、私のせいで。」
さすがに申し訳なくなって、素直に謝る。
「はぁ…。
焦っても仕方ねぇ。
待つしかないんだろ?」
そう言いながら、さっきの座席に戻っていった。
私もそれに着いていく。