僕らのはなし。①


私は教室には行かずに、屋上にやって来た。

自分の下着姿の写真があんなたくさんの生徒にみられてしまった上に、伊崎も信用してくれなかった事に凄い絶望感がわきあがってくる。



でも、暫くして冷静に考えると、やっぱり凄い変。

私、ハメられたんだよね…多分。


一体、何で私をハメたんだろう??
心当たりがあり過ぎて全然見当がつかない。



その後、私は教室には戻らずに、あの男の人について調べる事にした。
だって、あの人が私をハメる理由は思い浮かばないから。

とりあえず何処の誰かすら知らないので、クラブやホテルの人に聞いて回ったけど、誰も彼の素性を知る人は居なかった。


完全にどん詰まり。


バイトの時間になったので、そのまま向かった。


「はぁ?何それ!!」
「分かんない。
記憶がないから。」
「でも、酷いよね。
下着姿の写真撮って公開するなんて。」
「うん。
私これでも女の子なのに…。
お嫁に行けない。」
「そうかな?
湊はモテるから問題ないと思うけど。」
「モテないよ。」
「「星野!!」」
柚瑠とバイト中、手を動かしながら今回の事について話していると、四宮さんと神崎さんが突然飛び込んできた。

「どうしたんですか?」
「星野。
ホントにハメられたんだよな?」
「はい。
自分の下着姿流して何のメリットがあるんですか。
マジで許せない。」
「なら、俺達も犯人探し協力するよ。」
私の質問にはスルーで、四宮さんが聞いてきたから、本音を伝えると神崎さんがそう言ってくれた。


「ありがとうございます。
でも何で??」
「純がやばいんだよ。」
「誰彼構わず当たり散らして、そのうち誰か死人が出そうで。」
「それ、私の件と関係あるんですか??」
「決まってるでしょ。
純、あれで結構お前の事大事にしてたから。 」
「鈍いなぁ…お前。」
四宮と神崎さんがそれぞれそう言って、私をちょっと残念な人を見るような目で見た。


「そんな事ないとは…」
「まぁ、この件は後で本人とゆっくり話せよ。」
「もう見るの嫌かもだけど、お前の写真これに写してきたから。
他は消去させたからこれだけだ。
安心しろ。」
「ありがとうございます。」
四宮さんが伊崎と後で話せと言った後、神崎さんがUSBを取り出し、手に持っていた小型のノートパソコンにセットして、画像を出した。



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