僕らのはなし。①


ー湊sideー

翌日…私は負けたくないから、学校に登校した。

私の味方は居ない。

正直怖いけど、今休んだらきっともう行けなくなるから。


やっぱり登校すると、生徒達がざわついていた。
でも、直接何かされるとかはなく、それが逆に不気味だった。

昨日いろいろ考えすぎたせいか、寝不足で花が居ないのは気になったけど、ずっとウトウトしていた。

花とは一昨日から会ってない。
あの後、無事に帰れたのか心配だったから、今日謝ろうと思ってたんだけど。


眠過ぎて授業もちゃんと聞けないので、諦めてレッスン室へ。
教室は安全じゃないから。


だから、知らなかった。
私の居ない間にクラスメイト達が良からぬ企みをしていた事に。


起きると放課後で、ピアノレッスンを少しして帰る事にした。

自転車を取りに行って、広い学園の敷地内を自転車に乗って通った。

すると、急に自転車の前にリレーのゴールテープのようにピンと張られたチェーンが。
地上から30㎝くらいのとこに出現した。

勿論浮いてる訳じゃなく、男子生徒2人が両端を持ってしゃがんでるのも見えた。

ヤバイと思って急ブレーキをかけたけど、止まらなくて引っ掛かり、自転車から投げ飛ばされるような形に。

さすがに命の危険を感じ、ゾッとした。


呆然としながらも起き上がり、顔や膝など、痛みを感じる場所を見たり触ったりして確かめる。
擦り傷や打撲がかなり出来ていた。

視線を移すと集まり、人を傷つけたのに騒いで喜んでる生徒達。

さっきまで私が乗ってた自転車に火までつけられた。

この人達は、ある意味一番危険だ。
これが悪い事だって意識もなければ、加減も知らないから。






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