僕らのはなし。①
家に連れてくるとまずお風呂に入らせ、消火器で汚れた制服などは処分させた。
暫くすると、用意させておいたワンピースを着た星野があがってきた。
凄く似合ってる。
「ねぇ、何でアンタの家なの?」
「あんな格好で帰せるわけないだろ??」
「もう!事あるごとに家に連れ込まないでよ!!」
やっぱりコイツはどうやってもコイツで、いきなりキレ出した。
「仕方ないだろ。」
「私の制服は?」
「捨てた。」
「はぁ?
明日からどうしろと??」
「用意させるから問題ない。」
「そういう問題じゃなくて、もうちょっと大事に物を使うこと覚えなさいよ!!」
「はぁ。
とりあえず黙ろうか。
あんまり大声出すと、鳩が豆食うぞ。」
さっきから怒鳴ってばっかりの星野の口を軽く手で塞いで黙らせ、ベッドに座らせそう言った。
「~~!!」
何かを尚も言おうとしてるけど、口を押さえてるから分からず、とりあえず手を話してやった。
「それを言うなら、鳩が豆鉄砲を食らうでしょ。」
「はぁ?
よく考えてもみろよ。
普通、豆は食うだろうが、豆鉄砲は食えないだろ。」
「何言ってんの?
自分の使ってる言葉の意味くらい知っときなさいよ。
しかも、使い方違うし。 」
「うるさい。
大体何でやられてんだよ。
ああいう状況になったら、一目よんで逃げろよ。」
「だから、一目散でしょ?
どうしたら、そういう間違った覚え方するのよ。」
呆れながらも、少し可笑しそうに笑顔を見せる星野に、馬鹿にされてるはずなのに何故か安心した。
「何よ?」
星野に迫っていき、ベッドの向こうに置いてあった救急箱を取って離れた。
見てみると、少し警戒してる姿が何か可愛くて愛しくなる。
「ちょっと自分で…。」
「やってやるから大人しくしてろ。」
自分で手当てすると差し出してくる手を軽く払い、傷の手当てをしていった。
いつの間にかベッドの上に横になって、安心したように眠ってる星野。
布団をかけてやりその頬にキスをして、電気を消して部屋から出た。