僕らのはなし。①


ー湊sideー

近くで携帯の着信音が聴こえて、目が覚めると部屋が真っ暗だった。


手探りで近くの机に置いてあった携帯を掴んで、画面を見ると相手は花だった。
花が私に連絡してくるなんて結構珍しいし、最近休んでる事が多くて心配してたのですぐに出た。

「もしもし?」
「湊!助けて!!」
出て早々に、必死にそう訴える声が聞こえてきた。


「花?どうしたの??」
「今日の昼間、ちょっと家から出たら、急に拉致されて。
此処、学校みたいなの。」
「大丈夫なの?」
「うん。
今はとりあえず。
湊を呼べって命令されて。
ごめんね。」
「良いから。
今から行くね!!」
私は伊崎の家から飛び出した。


確かに花はお嬢様だけど、拉致される理由なんかないはず。

最近私の周りでおかしい事がたくさん起こってるし…原因はきっと私だ。
私のせいで花が傷つくなんて、絶対許さない。


花、待ってて。
必ず花は助け出すから。





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