僕らのはなし。①
8.真犯人の正体。


「花!」
「湊!!」
学園中探し回って、花を見つけたのはラウンジだった。

男達に囲まれて、椅子に座ってた花。
私が駆け寄ると、立ち上がった。

どうやら縛られてないみたいで良かった。

「花、大丈夫なの?」
「うん。ありがとう。
危険なのに来てくれて。」
「そんなの良いから。
私のせいかもしれないし。
こっちこそ怖い思いさせてごめんね。」
花を抱き締めながらそう謝った。


「ううん。
湊は悪くないよ。
でも、湊ごめんね?
じゃあお願い。」
花は私の自分の背中に回された腕をほどくと離れ、微笑みを浮かべそう言うと、男達に囲まれ縛られた。

「えっ、どういう事?
花、どうしてなの??」
「まだ気づかないの?
私だよ?
私が仕組んだの。」
「どうして?」
「まぁ、待って。
これからあの男呼び出してから事情話すから。」
「あの男ってもしかして…。」
「伊崎に決まってるでしょ。
携帯借りるね。」
私のポケットから、携帯を取り出すと電話をかけ始めた。








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