僕らのはなし。①
「どうして?
どうしてなの??
こんな子どうなっても問題ないでしょ??
やり返せば良いじゃない!!
どうしてこの子じゃなきゃ駄目なの?
貴方に振り向いてほしくて、整形までしたのに!!」
さっきまで観賞してた花が焦ったように伊崎の前に行って、そう訴えた。
それでも手を出さない伊崎に、私は何もしてあげられない。
見ているしかない自分が凄い無力で腹が立つ。
「私を見てよ!
綺麗でしょ?
貴方の為に1年休学して、何度も何度も整形してやっと私綺麗になって戻ってきたのに…何でなのよ!!」
そう言って、男達が離れた伊崎に、花が近くにあった椅子を持ち上げ、降り下ろした。
私は無意識に手を後ろで縛られたまま、駆け寄りかぶさるように身体を入れた。
でも、目を閉じたけど、衝撃は来なかった。
目をゆっくり開いて確認すると、伊崎が逆に私を守るように抱きしめ、回転して自分が衝撃を受けたみたい。
一瞬の事で状況を理解するのに時間がかかった。