僕らのはなし。①


「これ。」
「何で携帯?
持ってるけど??」
何故か伊崎がポケットから取り出し、渡してきたのは黒い携帯。

疑問に思って聞いてみた。


「俺様専用の携帯。
俺の連絡先も登録してある。
何かあったら連絡してこい。」
「何であえて携帯??
連絡先教える方が安いし手っ取り早いのに。」
「はぁ…お前は鈍感過ぎる。」
「どういう意味??」
伊崎の言いたい事がイマイチ分からなくて、怪訝な感じで聞き返す。

「まぁ、とりあえず持ってろ。」
「…分かった。」
何か返しても受け取りそうにないので、とりあえず持ってる事にした。



「いつも女の人達も一緒なの?」
さっきから、少し目について気になってた事を聞いた。

「いや、今日はパリが居るから特別だ。
普段は女は入れないようになってる。」
「パリって??」
よく分からなかったので聞いてみると、伊崎が顎で場所を示した。

そっちに視線を向けてみると…結城先輩が女の人を左右に侍らせて、かなり密着してソファに座り、肩に腕まで回していた。

今まで先輩が聖奈さん以外の女性をそばに居させたり触れたりするとこなんて見たことなかったから、驚きで声も出ない。







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