風から始まる一生の恋は壮大なものでした。
風side
「ふぅ………やっと終わった」
意外とあったな…。
私の真下に広がっていた水たまりがようやく消えた。
腰痛いな……もう。HR始まるし…
急がなきゃ。
「制服重っ……」
こんな重い制服で走るのも慣れたし、まぁいいか。
急がなきゃ先生来るわ……
ーーーーガラッ
「影野さんよ…」
「懲りないわね……」
「来なきゃいいのに」
教室に入るなり毎度のことこんな会話が耳に入ってくる。
……だから、光野だってば
と心の中でツッコミながら席へ座る。
偶然にも今年初めて紘瑋様とクラスが一緒だった。
まぁ、こんなんだから嫌われて居るのだろうけど…
また、こっちを見てる。
やめて、見ないで、こんな姿を見てキライにならないで……やめて。
こんなことを願う事など無駄だとわかって居ても願う自分が居た。
こんな恋諦めたら早いものを何故か諦めがつかなかった。