ただ隣にいるだけで


「まったくなんで遅刻してくんのよ!」
小声でモエちゃんが佐々木君に話しかける。



モエちゃんと佑真君は幼なじみらしく、モエちゃんは佑真君にだけ冷たくて、厳しい。
めったに優しい言葉をかけてるところは見ない。



「先輩に引き止められて、なかなか帰れなかったんだよ…」
とぼやく佐々木君。


すると、モエちゃんが
「お、おつ…」
と何かを言おうとしたが、


「はい!再開するぞ!」
という先生の声でさえぎられてしまって、聞くことが出来なかった。



あの言葉は、『おつかれ』だったのかなぁ。
モエちゃんにしては、優しい言葉だなぁ…




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