ただ隣にいるだけで


「あの。森岡さん。」

と話しかけてくる佐々木君。



「なっ、なに?」

佐々木君が話しかけてくれるとは思わなかったので、少し噛んでしまった。


「この前、ホントは『何でもない』じゃなかったんじゃないかなと思って」


佐々木君が言う『この前』が、この前の居残りの時間だということに気づいた私は、


「んー」

つい曖昧に応えてしまった。

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