詐欺師の恋
「だって、あれもらったの私だしっ!…よく、撮れてるなって思って…その、写真…」
言い訳がましいことに気付き、段々と声がしぼむ。
だって。
私がもらったんだもん。
それをどうしようが。
私悪くなくない?
謝らない!
絶対謝らないんだから!
「…………ごめ、、、…んなさい…」
視線に耐えられず、俯いて手をこねくりまわす私。
どうして中堀さん相手に強気に出れないんだろう?!
なんで謝っちゃったんだろう!?
馬鹿だ、私やっぱり馬鹿だ!
心の中で様々な葛藤と戦っていると。
「ほんと、変」
中堀さんがフッと笑ったせいで、空気が揺れた。
振り向きざまスマイルは。
窓からの陽射しというオプションが付くと、時として最強になる。
金色の髪の毛先を、陽の光が透けさせていく。
お、もしかして、これは良い雰囲気?!
抱きついても怒られない?!
よぉっし。
「なかぼりさ…」
「コーヒー頂戴」
何の余韻もなく、中堀さんは私に背を向けた。
「…はい…」
ひどい。
ひどすぎる。