詐欺師の恋
そうか。




結局、どんなに頭を動かしても、藤代くんとタカの話は少ししか理解できなかったのだけど。



どうも、嵌められていた、から?



またしても、燈真という男の罠に引っかかって、中堀さんが苦しんでいるということで。



あの時、私に別れを告げた中堀さんの言葉は、やっぱり本音じゃなかったと判断して良いみたい。



つまり。




「中堀さんに、、もう一度、会って話したい、、です。」




そうして良いという、GOサインがでた模様?




「ん。まぁまぁな答え、かな。上出来。」




つっかえつっかえ言った私に、タカが満足げに笑った。




「アイツ今どこにいっかなー」




悪いけど、かなりの棒読みでタカが腕をうーんと伸ばす。




「お気に入りの、歩道橋…辺り、かな?」




タカが悪戯っぽい笑みをして私を見るので、私は目をぱちぱちと瞬かせ。




「ありがとうございます!」




思わず零れた笑みを隠す事無く、走り出した。




「さぁて…と。」




小さく手を振ってその場に立ち尽くしていたタカは、おもむろにポケットから携帯を取り出し、最近新しく登録したばかりの番号を画面に表示させた。




「あ、もしもし??俺だけど。うん、そう。まだルナ?今からちょっと出てこれる??歩道橋の辺り。なんで?えっと…そう、プレゼントを渡したくって。え?気持ち悪い?いや、今度のは間違いないから!………とにかく!うだうだ言ってないで、全速力で来い!」

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