詐欺師の恋
痛みも、全部、忘れて。



ただ、感じるのは、早鐘のような鼓動。



ねぇ。





「お花っ!!ありがとう!!!!!あのっ、、、、」






ずっと、わからなかったの。


ずっと、自問してた。


あの夜、歩道橋で。




私は確かに、貴方を見た筈なんだけど。




貴方は私を見つけてくれた?



私の名前を呼んでくれた?



それとも。



全部、あれは夢だった?




もう少しで会える筈だったのに、またすれ違ったのかと、確信するのが怖くて。



眠ったままでも良いとさえ、思ったのに。



結局目は覚めてしまって、その先に、貴方は居なかった。





「あのっ、私、やっぱりっ!!」





けど、夢じゃなく。




あの時、私はちゃんと、貴方に会えていたんだね。




もしも。





これで、貴方に会うのが最後になるとしても。





最後の、告白になるとしても。





もう一度、貴方に言の葉を送ることができるのなら。





「どうしようもなく貴方が好きですっ!!!」







今紡ぐ全てが、貴方の為になればいいと願うよ。




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