あの月の夜、きみと。
2 いつもの日々
相変わらず暑いまま、2学期が始まった。

高校2年の2学期は、あっという間にすぎていく。

進路のために、
内申点をあげなくちゃいけない。
勉強を頑張る。
部活も頑張る。
でも、バイトも続けたい。

少しずつ、将来を意識し始める。

自分は何になりたいか。


何になれるのか、考え始める。




周りが慌ただしくなっても、私は変わらず過ごしていた。

小さい頃から夢があった。

幼稚園の先生になること。


優柔不断で周りに流されやすい私だけど、
この夢だけはブレなかった。



子どもと一緒に遊んで、笑って、
怒って、泣いて。
幼稚園の担任の先生はそういう人だった。
いつも本気で向き合ってくれた。
だから安心したし大好きだった。
子どもながらに、

大きくなったら私も先生みたいになりたい

と思った。

その想いはブレることなく今も私の中にある。
だから進路も迷わず保育の専門学校。

目標が定まっている分、やるべきことも比較的決まっていて、焦ることはなかった。


未来に向かって進み始める友人たちを、
どこか冷めた眼差しで見ていた。
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