今日から俺の妹な。
逃げるのではなく、向き合う術を。



口をつぐむのが、最良だとは限らないことを。



伝えることに、勇気が必要だということを。



そばにいてくれる人たちの、大切さも。



忘れかけていたことを全て教えてくれたのは、先輩だった。



「先輩、ありがとうございます」



目の前に先輩はいないけれど、笑みが溢れる。



そして。



はらりと。



透明な感情が一粒零れ落ちた。


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