今日から俺の妹な。
「そんな顔しないの」



向かい合って座っていた席から、机に手を置いた彼はすっと距離を詰め、



トントン、と。



私の目と目の間をつついた。



「どんな顔、してますか…?」



触れられた部分が、熱を持つ。



「うーん、そうだね…」



あぁ、またこの感じ。



少しずつ、波が押し寄せるような。



追い詰められているような、あのときの感覚。



追い詰められてなんかいないのに。



先輩がさっき、あんなこと言うから。



先程の感情を消化しきれず脳内で八つ当たりをする。



開いていた窓から湿った空気が入ってきて、肌を撫でる。



その温度から、もうすぐ梅雨に入るかな、なんて場違いなことを思った。



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