今日から俺の妹な。
先輩の顔を見ると薄く唇が開かれている。



聞き逃すまいと神経を集中させる。



けれど。



「キス、したくなる」



聞かされた言葉は想像とは全く違ったもので。



「……………………」



数秒は、固まっていた。



少し経って出てきたのは、



「…え?」



乾ききった喉から絞り出した掠れた声と、



「あははっ、凛ちゃん顔真っ赤」



身体の内側から沸き上がるような熱さだった。



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