今日から俺の妹な。
「夕日、綺麗だね」



緩やかに、流れるように入ってきた声。



けれど、どこかいつもと違う雰囲気を纏う。



そんな空気にさえ、また世界が揺らぐ。



「…っ、はい」



言葉に詰まりながらも肯定する。



本当に、綺麗だと思ったから。



きっと先輩も同じ感情を持っているのだと温かい気持ちになったけれど。



「でも、俺は嫌いかな」



「…?」



思いがけず返ってきた否定の言葉に首を傾げる。



「どうしようもなく、哀しくなるんだ。そんなこと想う資格すら無いっての



に」



言っている意味がわからなくてさらに思考を巡らせるけれど、どうも自己完



結できなくて聞き返す。



< 118 / 154 >

この作品をシェア

pagetop