今日から俺の妹な。
細い悲鳴が聞こえたのか、『その人』はこちらを振り返った。



羽が舞うかのように、ふわりと。



その時間が、ほんの一秒ほどが。



永遠なんじゃないかと思うほど、スローモーションに見えた。



視線がこちらに近づいていく、たった1mmさえもが、波となって私を揺れ動



かす。



このまま波に押されて、倒れてしまうんじゃないかと、バカな考えが頭を



過った。



そして、完全にこちらを振り返った彼の瞳が、私の視線と交わる。



その瞳が微かに見開かれた後、彼は意味深に口角を上げたのだった。



木洩れ日なんかよりも、もっと柔らかい彼を包むその空気に。



私はただ立ち尽くしていた。





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