今日から俺の妹な。
聞いたこともない名前。



それにこんな場所に食事処があるのにも驚いた。



「あんまり知られてないけど、ここの料理は絶品なんだ。俺だって、和食が



食べたいときくらいあるんだよ」



私の思考を見透かしたようにそう言う先輩。



まぁ、確かに。



言われてみれば先輩のお家の食事は、洋食が多いかもしれない。



けれどそんなのお手伝いさんに頼めばいくらでも作ってくれるんじゃないの



かな。



そんなことを思っていると、何の前触れもなく目の前の引き戸が開いた。



いきなりのことにしばし固まっていると、中からは優しそうなおばあさんが



出てきた。



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