今日から俺の妹な。
押し黙ってしまった私に、今まで口を挟まなかった先輩が助け船を出してく



れた。



「凜ちゃんは僕の親戚。今まで広島の方で暮らしていたのを、最近こっちに



引っ越してきたんだ」



それは文字通り、絶句してしまうほどの真っ赤な嘘だったけれど、下手に取



り繕ったりしてボロが出てもいけないのでコクコクとうなずいておいた。



その完璧な演技に納得してくれたのか、女将さんは『そうかぃそうかぃ』と



微笑んでいた。



そのあとも他愛のない話を続けて、色々なお話を聞いていた。



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