今日から俺の妹な。
「で、美麗はどうしたの?」



声をかけてきた美麗に問う。



一人で色々と考えていたから、また目の前にいる美麗の存在すらも忘れてし



まいそうになった。危ないぞ、私。



「どうしたもこうしたも、お昼、一緒に食べよー!」



そんな私の心の内を知らない美麗は暢気な声でお昼に誘う。



うわ。お昼…もうそんな時間か…。



また玲先輩のことで時間を無駄にした。



朝からずっとこんな調子。




玲先輩のことで頭がいっぱいになり、いつのまにか時間が過ぎているとい



う…。



あー、もう!



私の貴重な時間をどうしてくれるん「凛ー?あんた今日大丈夫?」



「うわあっ?!え?な、なにが?」



「いや、朝からずっとぼーっとしてるから。何か悩み事ー?」



「うっ…、べ、別にそんなことないって!」



…まさか鈍感な美麗にまでそんなことを聞かれるとは。



「ふーん。ならいいけどー。しっかりねー?」



「うん!うん!ありがとね!」



本当に、しっかりしなくちゃ!



「どういたしましてー。ね!それより凛!早くご飯食べよーよー!」



「あー、うん、いいよ」



軽く返事を返せば美麗は鼻歌混じりに前を歩き出す。



今更だけど、美麗が深読みするタイプじゃなくてよかった。



あんなことバレたら何て言われることか…。



きっと、いや確実に私からは距離を置くだろう。



何てったって…人気者の玲先輩。ですからね。



そんなことを考えながらついていくと中庭にたどり着いた。


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