今日から俺の妹な。
たじたじになりながらもなんとか辿り着いたのは、きっとこの家の最奥の部



屋。



今まで見てきた扉もそれはそれは豪奢なものだったけど、ここは段違いのよ



うだ。



一言でいえば、高そう。



いや、間違い無く高い。



アンティーク調の色合いに繊細な絵が彫刻されている。



その前に立った先輩は一度大きく息を吐き出した。



「凛ちゃん、ついてきてね」



「はい…」



決心したように、すっとドアノブに伸ばされた手は迷うこと無く扉を開け



た。


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