今日から俺の妹な。
「凛ちゃん?!大丈夫?まだ不安なこと…」



「いえ、違うんです。先輩と、お父様の心意気が…っ」



嬉しくて。



言葉にできなかった想いはとめどなく零れる涙と共に、私の手を握ってくれ



ていた先輩の手に落ちた。



「…勘のいい子じゃのぅ。うちの息子より賢い」



「ちょっ、お父様!そんな…!」



慌てる先輩をよそに、お父様は続ける。



「君なら自分の瞳に、真実を映すことができるであろう」



「(…?)」



訳はよくわからなかったけれど、きっと少し認めてくださったんだろう。



そう思えるほど、穏やかで、強い眼差しだった。
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