今日から俺の妹な。
森の中に、小さな小さな傘を落としたようなそれは、誰にも拾われることな



く、ただただその存在を必死に隠しているように思えた。



「私に似てる…」



ポツリ。



教室に落とした独白は、静けさに混じって空気へと変わった。



そんな姿を視界から追いやるようにして、私は教室を後にした。



胸に小さなしこりを感じたけれど、そんなことさえも捨て切るように、友達



の待つ門へと向かった。
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