今日から俺の妹な。
「み、れい…」



目を見開いている私に駆け寄って、制服の裾を掴む美麗。



そして顔を上げたかと思うとキッと睨んで言った。



「凛!凛!もう、心配したのに!どうして何にも言ってくれないの。ど、し



て、相談してくれないの。大切なのに。…っ守りたいのに。なんで、守らせて



くれっ…ないのぉ…」



嗚咽混じりに話す美麗を見て、弾かれたように美麗の肩に手を添えた。



美麗の心情が、痛いほど伝わってくる。



普段のように間延びしない言葉が、それを雄弁に語っている。



綺麗なその涙が。



必死に裾を掴む手の温もりが。



封じ込めていた感情の扉を溶かした。


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