Baby boo!
勃発、ハムスターDV論争!
仕事から帰ると、何やら仁菜の部屋の前からアニメでも見ているかのような音がした。
ノックもせずに開けると、そこにはテレビの前で体育座りをしながらゲームをする仁菜の姿が。
部屋着のままで、髪もボサボサ、そして前髪だけ上に束ねていた。
その様子から察して聞く。
「お前、今日休みだったのか?」
「彰人さん、一応私もレディーのはしくれなんですから、ノック位……っ」
照れる奴をよそに、部屋を見渡す。
そこは服やら、雑貨やらが段ボールから散乱し足の踏み場もない状況になっていた。
布団の上にはマンガ本になぜかお菓子の数々。
「しかし、汚い部屋だな。まだ来て数日でここまで荒らせるとは……」
いやいや、感心している場合ではない。
「俺が今度覗く前に掃除しとけよ、少しでも改善が見れらなかったら容赦なく追い出すからな」
「そんなっ、彰人さんの鬼っ」
「何?なんだって?今すぐ出て行きますって?」
「わぁーっ、嘘です、ごめんなさい」
「たく、ゴキブリなんて発生させた日には、その日に追い出すからな」
「なんだ、そんな虫が怖いんですか?彰人さんも臆病だな~。ちょっと変わったカブトムシだと思ったら……」
……次の瞬間、部屋に奴の悲鳴が響いた。
金曜日のやんちゃが過ぎる幼児に母親が繰り出す必殺技をお見舞いしてやったのだ。
「うわーん、痛いよーっ。虐待反対!」
「お前がされるようなこと言うからだろ。で、今日は何してたんだ?」
「えっとゲームしたり、それからゲームして、えっとそしてまたゲームしたりなんかして」
「それ結局ゲームしかしてねぇんじゃん……」
それを聞いてがくっと項垂れる。
いい大人が1日中家に引きこもってゲームだなんて……。
なんて不健全な。
「てか平日に休みか?てか、お前一体何の仕事してるんだ」
そう聞くと、ぎくっとする仁菜。
なんだそんな言いにくい仕事なのか。
そもそも、こいつに勤まるような仕事なんてあるのか。
まぁ、こいつの仕事なんてこの際どうでもいい。