Baby boo!


いてもたってもいられず携帯電話に手を伸ばしたのは、1時過ぎた頃だった。

しかし……


『おかけになった電話番号は、現在電波の届かない……』


……なんだそれ、

まさか携帯忘れて行ったんじゃ、と部屋に入るとそこに携帯は見当たらなかったがコンセントに刺さったままの充電器を発見した。

がくっと打項垂れる。
なんで肝心の充電器忘れていくんだよ。

しかし困ったな、これじゃ携帯で連絡取れないってことか……。


何か手がかりを、と部屋を見渡すと何やらファンシーな名刺を1枚見つけた。


「……ぴゅあぴゅあ?いちご?」







メイド喫茶 ぴゅあぴゅあ 

いちご

よろしくおねがいします
ご主人さま♡


奴の部屋で見つけた名刺を、その手の話に詳しそうな後輩の水嶋に聞いた。


「メイド喫茶、ぴゅあぴゅあ?」

「あぁ、知らねぇか?」

「お店の名前は知ってますけど、いちごちゃんは知らないなー。何すか?この子彼女かなんかっすか?」

「まさか」

「……つか、それよりも先輩すっげー顔っすよ。どうしたんすか?」


あまりの死相に、触れようか触れまいか迷いましたが、と付け足す水嶋。

どうしたもこうもない。
結局昨日は眠れず、1人もんもんと夜を明かすはめになったのだ。
おかげでいつにも増して、俺の顔はげっそりとひどいことに……。


「それよりも、お前さ今日仕事終わった後暇?」

「今日っすか?今日は合コ「そうか、そうか暇なんだな。え、何?ぴゅあぴゅあに行きたいって?」

「え、ちょ、せ、先輩?」

「しょうがねーな、付き合ってやるよ」

「たく、そんな誘い方ありますか」


強引な俺の誘いに苦笑しながらも了承してくれた。
良かった、日頃こいつのこと色々面倒みておいて。


< 34 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop