トモヒーとアイツの何日間(3)

「カズキ君から枝分かれした妄霊のカズキは、恐ろしい早さで口火になり・・。同じような境遇の妄霊、ナオヤとヒキを引き寄せ初めた。」
「口火・・！」
口火と聞いて、前回の園田一家を掌握していた爺さんを思い出した。

「しかし、不思議な事が起きたんだ。なんだと思う？」
「何って・・何？」

「口火になったカズキを中心に、一種のコミュニティが構築されたんだよ。普通口火になった妄霊は、他の妄霊を取り込む習性があるんだが・・まるで太陽を回る星のように互いに話し合い、共存していたんだ・・！」
ハッシュはドラマチックに夜空を仰ぎ見て言った。

「口火になったカズキは、他の妄霊ナオヤ、口火のヒキと共存し合い、やがて害をなす妄霊を打ち消しているのが分かった。俺らの先代は、３人を『退治』するか『味方』にするかに別れた・・そして」
「味方にしたんだな？第三武会って、たいそうな名前をつけて・・」

「おいおい、利用してるみたいな言い方だね・・。口火の症状が落ち着いた時、彼らが第三武会と名乗ったんだ。そして、第三武会が情報を提供し、俺らが退治する現在が出来上がった。従来と比べて索敵がしやすくなって、被害も少なくなったんだよ。」