ありがとう ~たった1人の母~
あれから17年 優雅 story
俺には、母さんと父さんがいる。
でも、
母さんは昔死んでしまったらしい。
「美咲が死んで、もう十七回忌か …」
「もう、そんなにかぁ。
時間がたつのは早いな …」
「優雅君も、もう高校生だろう?」
「 うん …」
「優雅、ちょっとこれ見てみろよ。
母さんの昔のアルバム 。」
「 …っ 」
気がつけば涙が出てきた 。
「俺、母さんと会ってたんだよっ…!
いつも、優しい言葉で包んでくれた…
優しい笑顔で抱きしめてくれた…
泣いてる時にいつも現れて 、
俺の頭を撫でてくれた 。
母さん…何で死んじまったんだよ!
まだ、ありがとうも伝えれてない …」
顔を上げれば、
父さんもばあちゃんもじいちゃんも泣いていた …。
っ…あ!
あの場所に行ったらもう1度だけ会えるような気がする …
俺は無我夢中で走った 。
そして、大きな木にもたれかかっていたら、、
「 …優くん 、大丈夫だよ 」
上を向いたら、
優しい顔の母さんがいた 。
俺は、強く 強く抱きしめたんだ。
すると、母さんが…
「ごめんね、愛してる …」って。
だから、俺も 、
"ありがとう。
俺の母さんでいてくれて"
って言ってやった 。
涙でぐしゃぐしゃになった顔で…
それでも天使のように、
綺麗な母の顔を俺は一生忘れないだろう
母さんは、
俺の腕の中で静かに消えて行った。
ありがとう~たった1人の母~END