カレとカノジョの関係。
「希咲!」
昇降口で靴に履き替え外に出ると、電柱の前で頭を抑え、うずくまっている希咲がいた。
「おまえ…何してんだよ!
大丈夫か!?」
「え…あれ、一誠?」
しゃがみこんで肩を揺すると、希咲がゆっくり顔をあげた。
その額が赤く膨らんでいる。
「…おまえ。タンコブできてんじゃねーか!」
思わずそこに手を伸ばすと
「熱っ!?
え、おまえ熱あんの!?」
予想外の熱さにビビる。
そっか、だから、早退…。
「さ、触らないでよ!」
たどたどしくそう言った希咲が、俺の手を振り払い歩き出す。
「大丈夫だって…痛っ!」
そしてまた、電柱に頭をぶつけていた…。
「おまえ…熱あんなら俺呼べよ!?」
再びうずくまろうとする希咲の腕をつかむ。
「べ…別に一人で帰れるから」
「無理。家着く前にお前の頭が割れる」