カレとカノジョの関係。
希咲は諦めたのか、黙って俺にされるがままになっている。
…ていうか希咲と手繋ぐとか、何年ぶりだろ。
…あの頃はまだ、希咲の手の方が少し大きかったような記憶があるのに。
今はなんか…すげー小さく感じる。
…女子の手って感じ………
「一誠」
「っえ!?」
そんなことを考えていたら、急に名前を呼ばれてドキッとした。
「…歩くの速い」
「……あ。ごめん」
…俺としたことが。
なんかドキドキして、ついつい…速足になってしまっていたらしい。
今度はゆっくり歩き出す。
それから家に着くまで、俺と希咲は一言も話さずに歩いた。