カレとカノジョの関係。
「…着いた」
あたしの家の前に着くのと同時に
ゆっくり離れた手
「美保さんいるの?家」
「うん、いると思う」
「…そっか、じゃーゆっくり寝て、早く直せよ」
「…うん。ありがとう。
授業サボってまできてくれて」
「…別にー。
俺が現文嫌いなの知ってんだろ?」
そう言って悪戯っぽく笑う一誠。
「…現文ってゆーか、勉強全部嫌いじゃん」
「うるせーな、当たってるけど!」
つーかほんとに早く家入れよ、と一誠が背を向ける。
…いい奴だって
わかってるよ
だから
あたし昔から
一誠にだけは嘘つきたくないって思う。
「…一誠!」