カレとカノジョの関係。
…もう、ずっとこのままなのかな…
でもあたし、一誠とこのまま、ただ背中を見送るだけの関係に…いたくない。
「いっ一誠!」
駆け寄って隣に並ぶと、物凄く驚いた顔で見られた。
「あ、あの…め、珍しく早いんだね今日は!」
「……追試あるから…」
「え、えぇ追試!?何の!?」
「……漢字だけど」
「へ、へぇ〜!そっかぁ漢字!!!」
「…………」
ち、沈黙が耳に痛い…。
「…あ、あの…」
「悪いけど」
あたしの言葉を遮った一誠が、前を見たまま口を開く。
「ヘタレとか、思うかもだけど。俺…まだお前と普通に話せる気分じゃない。
もう希咲の中では完璧に切り替えられてても、俺はまだ、無理だから。
…ごめん」
そして思わず足を止めたあたしを残し、スタスタと早足で角を曲がっていった。