カレとカノジョの関係。












ガラガラ…と少し立て付けの悪いドアを開けると、もわっとした空気が俺たちを包んだ。



日本史の小木以外は絶対立ち入らないであろうここ。

すなわち、小木の宝箱と化しているここ。




そこら中に巻物やら古いお金やら黄色く変色した本が置かれている。




「…で、その貴重な代物っつーのはドコなわけ?」





適当に近くにあった資料を触りながらため息をつくと、





「…湊くん」





顔をあげると、じっと俺を真剣な表情で見つめる矢野。






「ん、どうした?」




「あ、あの…湊くんは…



やっぱり…希咲ちゃんのことが好きなの?」








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