カレとカノジョの関係。
♡31 愛の…?
学校を終え家への道をトボトボ歩いていると、うちに背を向ける形で、ボーッと立っている人の姿が見えた。
…こんな所で何やってるんだろう?
不審に思いながら近づくと、それは
…自分の家の前に呆けたように突っ立っている
一誠だった。
…今朝、まだ無理だからと「拒否」されたばかり。
でも、この一誠の様子は絶対、普通じゃない…。
すぐ近くにいるあたしの存在にも気づかずに、ボーッと家の前に立っている。
「…い…一誠…?」
あたしはおそるおそる、声をかけた。するとゆっくりと、振り向いた一誠が、あたしを見て微かに目を見開く。
「…希咲」
…声もどこか生気がないような、ボーッとしたような…
いや、それよりも。
あたしは一誠の左頬に目を奪われる。
どっちかというと色白の部類に入るであろう一誠の頬が、左側だけ赤く腫れあがっていた。
「ど、どうしたのそれ!?」
「あー…これ?」
一誠はゆっくりそこに手を伸ばすと
「まぁ…ちょっとな」
言葉を濁した。