カレとカノジョの関係。






「…じゃ、俺はここで」



「実はあたしも買いたい雑誌あるんだよね~」




「え!?」




「…何?その反応」




「…いや別に……」





本屋の前で矢野と別れようとしたのに、あろうことか現在、なぜか二人して雑誌コーナーにいる俺と矢野…



って矢野、買いたい雑誌あるんじゃなかったのか?何でいつまでも買わないで立ち読みしてるんだ…。



…つーか…そもそも何で矢野と一緒になって雑誌を見ている!?俺。



俺は一刻も早く、あのネックレスを…!!




「…じゃぁ矢野、俺ちょっとコミックの方に…」




「来月の10日」




!?




それとなく場所を移動しようとした俺だが、矢野の言葉に思わず足を止めた。




来月10日って…希咲の誕生日…!




「何で矢野が知っ「テレビくるんだよね」



「…え」




テレビ…


そういえば、朝のSHRで担任がそんなこと言ってたような…。


そうか、その収録日、そういえば来月10日だったっけ。




「湊くん、今何か言いかけた?」




「え」




不思議そうな顔で俺を見ている矢野。





「いっいや、全然!?…で、テレビがどうしたって?」



「“高校生の主張”に出る人募集してるって言ってたじゃん。
誰が出るんだろうね~、全校生徒の前で屋上とか、めっちゃ恥ずかしいよね」



「…お、おー」





って、こんな話してる場合じゃないんだよ俺は。





もうテキトーに話を切り上げて…





「あのさぁ矢野」



「湊くん」




読んでいた雑誌をパタン、と閉じて。





「本当は希咲ちゃんへのプレゼントでも買いにきた?」




「…は!?!?」






な、なな何で!?


今そんな話、ひとっつも…!











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