カレとカノジョの関係。
「…神谷夏樹……」
「…ちょっと。神谷くんの名前繰り返してないで、あんたも自己紹介しなよ」
一誠の腕を肘で小突くと「お前は黙ってろ」と睨みつけられた。
そしてズイッと神谷くんとの距離を更に詰める。
「…俺は湊一誠。
よろしくなコラ!」
なんで喧嘩腰!?
しかし大人な神谷くんは、気分を害することなく「こちらこそ」と右手を差し出す。
いやー、やっぱり学年一位は人間が出来てますなぁ。
感心するあたしの前で、一誠がガシッと神谷くんの右手を握ると
「…いたたたた…」
神谷くんが笑顔のまま呻いた。
って!!
「ちょっと何やってるの!?」
い、一誠の手が神谷くんの手を握り潰している!!
「べつにー。ただ握手しただけじゃん?」
しかし一誠は全く悪びれずにそう言うと、サッサと女子達と共に体育館に入っていってしまった。
なっ…なんなのアイツ!!