カレとカノジョの関係。





「…一誠…!」




あたしは慌てて、挨拶を終えた一誠に駆け寄った。





「…おー、希咲。
言っとくけど、今回の負けはマグレだからな!次は絶対に…」



「肩大丈夫なの!?」




一誠の言葉を遮って聞くと、バツの悪そうに、顔が歪んだ。





「…何のことだよ?」



「とぼけないで!分かってるから!
肩、痛いんでしょ?
ごめん。あたしが…」



「バーカ」



「痛っ」




一誠のデコピンが、あたしの額に炸裂する。





「希咲のせいじゃねーよ、バッカじゃねーの?大体肩なんて痛くねーし」



「…嘘だ。保健室行こ!」




「はぁ?
あっ…おい神谷!」




その時、一誠が神谷くんを見つけて、声をかけた。





「言っとくけど今回お前らが勝ったのはたまたまだからな!たまたま!!
分かったか!?」




「…うん、俺もそう思ってるよ」





「…え?」





思いがけず神谷くんに肯定され、ポカン、とマヌケな顔をする一誠。





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