カレとカノジョの関係。
「でっできたよ!」
シップを貼って、ザザザッと距離を取ったあたしを、一誠が不審そうに振り返った。
「何してんの、おまえ」
「えっ何が!?」
「…はなれすぎじゃね?」
「えっ…そう!?
…て、ていうかあたしもう教室戻るね!じゃぁ…!」
…なんか、今日のあたしはおかしい!
教室に戻って頭を冷やそう!
と保健室のドアを開けようとすると
「希咲」
「!!」
ドアにかけた右手を、一誠がつかむ。
「な…なに!?」
「…もうちょっとここにいろよ」
「えっ…何で!?」
「…何でって」
一誠は、どこか気まずそうに視線を逸らすと
「…もったいねーじゃん」
呟くようにそう言って、あたしの手首を乱暴に引いた。