カレとカノジョの関係。
「も、もったいないって?」
一誠はあたしをパイプ椅子に座らせると、自分ももう一つのパイプ椅子を引き寄せ、座った。
「…だってせっかく二人っきりだし」
「別に二人っきりならいつもなってるけど…?」
一誠が三日に一度のペースで、あたしの部屋に不法侵入してくるせいで。
「そーゆーんじゃなくて」
一誠の膝頭が、あたしの膝に微かに、触れる。
「だってなんか…
二人きりの保健室って、エロくね?」
「っエロ!?」
なっ
何を突然言い出すの!コイツは!!
「帰る!!」
「帰んな」
勢いよく立ち上がったあたしの両腕をつかみ、一誠が座らせた。
そしてニヤッと意地悪く笑う。
「冗談だし。
赤くなっちゃって、ほんと免疫ねーなー」
「うっうるさい…!触るな変態ー!」
「…やだよ」
一誠の顔からスッと笑みが消えて
あたしの腕をつかんでいた右手が、そっと頬に移動する。
ビクッと、思わず体が震えた。
…真剣な、瞳。
なんだかいつもの一誠じゃ、ないみたい…。