カレとカノジョの関係。
「今日もね、湊くん高倉さんのことばっかり気にしてて仕事にならないから、無理やり休憩いかせちゃった」
ここではちょっとだけあたしの方が先輩だからね、と悪戯っぽい笑みを浮かべる矢野さん。
「また学校で会ったら声かけてね」
「あ、うん。こちらこそ!」
「じゃぁごゆっくり」
そして最後にもう一度ニッコリ笑って、他のテーブルにオーダーを取りにいった。
背筋がシャンと伸びていて、なんかかっこいい子だな。
「神谷くん幼なじみいたんだね!」
「あー、うん。まぁ」
はい、フォーク、と神谷くんからフォークを受け取りながら、思わずニヤニヤしてしまう。
だって神谷くんと矢野さん、美男美女ですっごくお似合いなんだもん!
「あんなに可愛い幼なじみがいて、今までなんにもなかったの?」
「なんにもって?」
「だから…好きになっちゃったり、とか?」
すると神谷くんは暫くあたしの顔をまじまじと見つめた後、深いため息をついて
「…ないよ。ていうか何でそんなに嬉しそうなの?」
「えー?だって神谷くん好きな子とかいないのかなーって」
「…なんか地味に傷つくんだよなぁ…」
「え?」
「なんでもない」
神谷くんは気を取り直すようにワッフル口に運んで、苦笑した。
あたしも神谷くんに習って、ストロベリーワッフルを一口食べる。
うーん!おいしすぎる〜…!!!