アナザー…
午前4時。
英治と春子は署内で簡単なミーティングをし、車に乗り込んだ。

「さて、行くぞ」

英治がアクセルを踏む。
そしてまだ日の昇らぬ早朝に車を発信させた。

「なあ、武器は何にした?」

「ショットガンとライフルです。」

どうやら春子は遠距離ガンナーらしい。
とくにライフルの腕前は全国有数らしい。

「英治さんは?」

「俺は真剣だ。」

英治は剣道の全国武術大会において首位。
剣士としての腕前は最高のものだろう。
そして、この強さが署内でも有名である。
まず英治がこの署に来てからは、かなり犯罪が多かったこの地域からめっきり犯罪が減ったのだ。
それが英治の態度の大きさを皆が黙認する理由だった。

しばらく車を走らせ、現場にたどり着く。
ここは町外れの廃屋。
かなり大規模で、豪華な造りだがツタが絡まり、周りは雑草が延び放題で薄気味悪い雰囲気を醸し出していた。

「よし、行くか」

「はい。」

春子は真剣な表情で英治に付いていく。
まだ日が昇っていないので廃屋の中は薄暗く、視界が悪いので懐中電灯電灯をつけて捜索することにした。

この時、英治はなにか違和感を覚えていた。

何か…いる?
人?いや…何か動物の息遣い…
いや、ごちゃごちゃ考えてもしょうがないか。

そして二人は奥へと足を踏み入れた。
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