一人になるということ
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そして…それが今日、約束の日だ…
7月7日…私の誕生日…
未月君と別れた後、車に揺られていた
「もうすぐで到着です」
運転手さんが高級マンションで止まった
「この3階に斗真様がいらっしゃいます」
私は3階へ向かった
事前に渡されていたカギを使い、部屋を開けた
『あれ?』
もう部屋のドアは空いていた
ドアを開け、部屋の中へ入った
「お帰り…」
不意に抱き締められた
『斗真さん…』
彼はいつもふざけているが、真剣な時はこんな風に軽い感じは無くなる。
「この日が来るのを待ってたよ…」
斗真さんが私を抱き締める力が強くなる、私は前から思っていたんだ
この人は可哀相な人だと…
だって……、自分の権力が欲しいだけで結婚したい、だなんて……。
そんな簡単に自分の人生を好きでもない人と……
この人は寂しい人……。
きっと親の愛を知らない人……。
だから、ずっと一緒にいることになるなら、私が支えてあげようと……
でも………
やっぱり好きなのは龍介君だ…
斗真さんへの感情はただの同情心だと思う…
もっと龍介君と一緒に居たかった…
私があなたを守るよ…
殺させない…
元気でね ………
バイバイ……………………
私は斗真さんに抱き締められているのに龍介君のことを考えていた………
それくらいは許して欲しいな…