一人になるということ
もう少し……
~恋羽~

私はチャイムが鳴った後未月君と別れて先生に頼まれていた仕事を終わらせた。

放課後……………

『早く行かないとっ!』

急いで弓道着に着替えて弓道場に入る

入ったと同時に弓を引く音、矢が風を切って的に刺さる音が聞こえてくる

その先には私の好きな人…

私も弓を引き、的に集中する

『ふぅー、よし!』

的の真ん中とは言えないがちゃんと当たった

それを横で見ていたのか

「恋羽、よくやった!よしよしー」

と言って未月君は頭をワシワシしてくる

「部活中にイチャつくのやめてー、目に毒だよ~」

私と未月君が話していたら小野寺君が休憩に来た

『小野寺君お疲れ様ー!大丈夫?』

「俺もうムリー、未月厳しいんだもーん!恋羽~癒して~」

ゴツっ!

「…おい、小野寺、お前殺されたいのか…?」

「恋羽助けてぇぇぇ!!!!未月が俺のこと殴ったぁぁぁぁ!!!!」

『未月君暴力はダメだよー!』

「だ、だって…小野寺お前に抱き着こうとしたんだぞ!」

『だからって暴力はダーメー!』

「べーーーだっ!」

私の後ろに隠れて小野寺君は未月君に向かって舌を出した

「おーのーでーらー…お前…相当殺されたいみたいだな…」

「ギャーぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

今日もこんな感じで部活が終わった

でも、この生活ももう少しで終わっちゃうんだ…

この光景を思い出にするために私はずっと未月君達を見つめていた…


~未月~


「なあ恋羽こんな奴ら置いて帰……」

俺はそれ以上言えなかった、恋羽のあんな悲しそうな目を初めて見たから…

酷く悲しい顔をして泣きそうな目で優しく俺達を見つめていた…


どうしてそんな顔、するんだ…?


「恋羽どし………」

「早く帰ろうぜぇぇぇ!!!!!!!!俺腹減ったぁぁぁぁ!!!!」

『うんっ!帰ろうか!』

小野寺に言葉を遮られた
その頃にはもういつもの恋羽に戻っていた

『ねぇ未月君帰ろっか!』

いつもの大好きな恋羽の顔だ
きっとあの顔は見間違いかもしれない



きっと、そうだよな
でも…俺の心はなぜか酷くざわついていた


『ねえ、未月君この後ちょっとでかけない?』

「え?うん、大丈夫だぞ?」

『そっか!じゃあ今夜校門前に集合ねっ!』

『じゃあまたあとでっ!』

そう言って恋羽は行ってしまった

「よし!じゃあ俺も準備するか!久しぶりのデートだ~♪」





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