sEcrEt lovEr
★偽装と真相の狭間で
おかしな家族体制が発足されて早数ヶ月。
あたしは彼の冗談が未だに苦手だ。
「十五万人に一人っていう珍しい血液型だから、今度大怪我でもしたらアウトなんだってさ」
…嘘だって言ってよ。
「そんな顔すんなって。本人はいたって普通なんだから」
いたって普通な顔してする話じゃないでしょ?
「怖くないの?」
「怖かったよ、昔はね。でも運命を受け入れる覚悟はできてるから」
…!?
「…て、俺が言っちゃダメなんだけど こればかりは、どんな天才ドクターでも無理なんだ。
でも何かあっても勤務先が病院ってラッキーだよな」
「笑えないよ、そんな冗談!」
そもそも矛盾してるし!
「…ねぇ、絹。ピンチとチャンスはいつも背中合わせなの知ってる?」
急に真面目な顔に戻る甲ちゃん。
「何の話?」
「俺達は辛い状況ばかりにとらわれて見落としがちだけど、それを裏返せばいつでも幸せがそこに待機してるんだ。
つまり“幸せ”のありかは自分の心が一番よく知っているんだって。
いつか恒兄が言ってた」
「パパが…?」
「そう。俺にはないチャンスが絹には与えられているんだから、それに賭けてみるのもいいんじゃないかな」
…それって手術のことだよね
あたしは彼の冗談が未だに苦手だ。
「十五万人に一人っていう珍しい血液型だから、今度大怪我でもしたらアウトなんだってさ」
…嘘だって言ってよ。
「そんな顔すんなって。本人はいたって普通なんだから」
いたって普通な顔してする話じゃないでしょ?
「怖くないの?」
「怖かったよ、昔はね。でも運命を受け入れる覚悟はできてるから」
…!?
「…て、俺が言っちゃダメなんだけど こればかりは、どんな天才ドクターでも無理なんだ。
でも何かあっても勤務先が病院ってラッキーだよな」
「笑えないよ、そんな冗談!」
そもそも矛盾してるし!
「…ねぇ、絹。ピンチとチャンスはいつも背中合わせなの知ってる?」
急に真面目な顔に戻る甲ちゃん。
「何の話?」
「俺達は辛い状況ばかりにとらわれて見落としがちだけど、それを裏返せばいつでも幸せがそこに待機してるんだ。
つまり“幸せ”のありかは自分の心が一番よく知っているんだって。
いつか恒兄が言ってた」
「パパが…?」
「そう。俺にはないチャンスが絹には与えられているんだから、それに賭けてみるのもいいんじゃないかな」
…それって手術のことだよね