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★残存“幸福”機能
次の日は朝から身体が重たく感じた。

きっと運動不足なだけだって安易な考えで、自分自身を奮い起こさせようとする毎日だが、今日は起きるのも辛い…

間違いない、これが“タイムリミット”て奴だ。

日に日に感じる異変に自分が弱くなっていくのを痛感する。

でもそんな時に限って捕まらない甲ちゃん。

代わりに来てくれたのはあの美人な女医さん、椎名先生だった。

「ごめんね、日向くん 今日は丸一日オペ室だから代わりだけど」

「そ、そんなことないですっ!甲ちゃんとは気まずくて… っ!?」

「え…?」

しまった… 勢いとは言え“甲ちゃん”はまずかった。

撮影の許可をもらったあの日、実は他にも約束をしたことがあった。

人前(特に病院)では“甲ちゃん”は控えること、甲ちゃんの年齢や生い立ちについては厳守すること。

飛び級に飛び級を重ねた甲ちゃんは日本ではまだ医大生の年齢でそれを知っているのは上層部のごく少数。

まして、おじいさんは業界では超有名人というトップシークレット付きだからバレると何かと面倒くさいらしい。
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